私たちはコロナで公民館に集まれないでいる間、教材に使っているユリオ・バギの”La Verda Koro”*の輪読をメールで行っています。今回は私が訳の当番でした。
*ラ・ヴェルダ・コーロ(緑の心)、緑はエスペラントのシンボル色です。
メールによる輪読を始めてから公民館で勉強していたときは気づかなかった内容構成と文章のすばらしさがわかるようになってきました。
前に出てきた老エスぺランチストと老婦人のおしゃれな会話と今回私が担当した主人公の男女の心の交流の場面が大変気にいりました。
第一次大戦中、ロシア革命直後のシベリアが舞台で、主人公はシベリアの捕虜収容所にいるハンガリー人とその町に住むポーランド人の女性という設定です。
恥ずかしながら歴史を知らない私はついでに物語の時代背景も調べてみました。最大の疑問はなぜシベリアにポーランド人が住んでいるのかということでした。それを調べてみると意外なことに、その理由とザメンホフが幼少時に過ごした町の状況とは同じ根から出ていることがわかりました。いずれも過去のポーランド人の反乱に対するロシア帝国の対応がその根にありました。
これまでほとんど目を向けなかった方面にエスペラントを介して関心を持つようになってきました。
”La Verda Koro”は残念ながらいまは絶版で購入できないようです。しかし、インターネット上で読むことができます。随所に細かいエラー(おそらくOCRでの読み取りエラー)がありますが、読むのに障害になるほどではないでしょう。
http://verkoj.com/lauteme/klasika/julio-baghy/la-verda-koro/