Marta_020

テキスト

Tamen baldaŭ venis aliaj malfeliĉoj. La patro de Marta, parte pro sia propra nesingardeco, sed precipe kaŭze de ekonomiaj ŝanĝoj, kiuj fariĝis en la lando, enfalis en danĝeron perdi sian posedaĵon. Lia sano ekŝanceliĝis, li antaŭvidis ne sole la ruinon de sia havo, sed ankaŭ la proksiman finon de sia vivo. Tamen la sorto de Marta tiam ŝajnis jam asekurita. Ŝi amis kaj estis amata.
     Johano Swicki, juna oficisto, kiu havis jam sufiĉe altan oficon en unu el la regnaj institucioj en Varsovio, ekamis la belan nigrokulan fraŭlinon kaj vekis en ŝi reciprokan senton de estimo kaj amo. Kelke da semajnoj post la edziĝa festo de Marta mortis ŝia patro. La ruinigita nobelo, kiu eble iam revis pli brilantan sorton por sia solinfano, kun ĝojo enmetis ŝian manon en la manon de neriĉa, sed laborema homo; pensante, ke de la momento, kiam Marta foriris de la edziĝa altaro, ŝia estonteco ricevis sufiĉan asekuron kontraŭ la suferoj de soleco kaj la danĝeroj de malriĉeco, li mortis trankvile.
     La duan fojon en la vivo Martan trafis granda doloro, sed ĉi tiun fojon ĝin kvietigis jam ne sole la juneco, sed ankaŭ la amo de edzino kaj poste patrino. Ŝia bela loko de naskiĝo perdiĝis por ŝi por ĉiam, transiris en la manojn de fremdaj homoj, sed kompense la amata kaj amanta edzo meze de la urba bruo aranĝis por ŝi molan, varman kaj oportunan neston, en kiu baldaŭ eksonis la arĝentosona voĉo de infano.
     Inter familiaj ĝojoj kaj devoj kvin jaroj pasis por la juna virino feliĉe kaj rapide.

(SJ
しかしながら まもなく 他の不幸がやって来た。マルタの父、一部は自分独自の不注意がある。だけれども特には国の中で生じた経済の変化が原因で自分の財産を失う危険に陥った。マルタの父親は体調を崩した。彼は自分の財産崩壊だけでなく、また自分の人生の近づく終わりをも予測した。しかしながらマルタの運命はその時もまだ保障されていたように見えた。マルタは愛し、愛された。
 ヨハーノ スヴィッキー、ワルシャワの国家機関の一つである、すでに相当高い役職だった若い役員は、美しい黒い目の女性を愛し始めた。そして尊敬と愛の相互に通じる思いを彼女に目覚めさせた。その落ちぶれた貴族は、多分かつてはたった1人のわが子により輝かしい未来を思い描いたであろうが、喜びと共に貧しいが働き者の手の中へ彼女の手を重ねた。マルタが結婚式の祭壇から降りたその瞬間から、孤独な苦しみや貧しさの危険の脅威に対抗する充分な補償を彼女の未来は受け取ったことを考えながら、彼は静かに亡くなった。
 生涯で2度目に大きな心痛が彼女を襲った。しかし、今回はもう若さだけでく、妻となり、後の母となって、その愛でも、乗り越えることが出来た。彼女にとって美しい出生地は永遠に失われ、見知らぬ人の手に渡った。しかし、その代わりに、町の雑音の真ん中で、愛され、愛する夫は彼女のために優しく暖かで、そして間もなく子供の生き生きとした声の聞こえる便利な住処を手配した。
 その若い女性にとって、家族の喜びと責務の間で、5年の月日が幸せに、そして素早く過ぎていった。

経過

1. La patro de Marta, parte pro sia propra nesingardeco, sed precipe kaŭze de ekonomiaj ŝanĝoj, kiuj fariĝis en la lando, enfalis en danĝeron perdi sian posedaĵon.

(SJ
自分独自の不注意の部分があるマルタの父、しかし、国の中で生じた経済の変化が、特に原因で自分の財産を失う危険に陥った。
(AM
La patro de Marta ,( ) enfalis en dangxeron..という文をまず考えます。それが起こったのは、一部は(ーー)括弧内の所為だ、となります。
(SJ
※マルタの父親は自分の独自の不注意で、しかし、特に経済の変化の原因で、自分の財産を失う危険に陥った。
(AM
parte pro …, sed precipe…が活かされていません。最初の訳では考慮されていますが。parte

は副詞です。だから、「一部は。。。だけれども特には」。「国内で生じた」と前ではきちんと訳しているのを落としていますね。
(SJ
※※マルタの父、一部は自分独自の不注意がある。だけれども特には国の中で生じた経済の変化が原因で自分の財産を失う危険に陥った。

2. Lia sano ekŝanceliĝis, li antaŭvidis ne sole la ruinon de sia havo, sed ankaŭ la proksiman finon de sia vivo.

(SJ
マルタの父親の健康は揺れ動かされた。かれは、自分の財産の崩壊を一人で予測したわけではなかった。自分の人生の近づく終わりでさえも
(AM
eksxancxeligxis 「健康状態が揺れ動く」とはどういう状態なのか、日本語ではどう表現するのがよいか、を考えて訳します。-igxis となっていますから、「そういう状態になった」ということです。li antauxvidis の目的語は、la ruinon de sia havo とla proksiman finon de sia vivon の2つです。ne sole (la ruino de sia havo)….,sed (ankaux la proksiman finon de sia vivo)…は「~だけではなくて、また~」を、antauxvidisとなります。
(SJ
※マルタの父親は体調を崩した。彼は自分の財産崩壊だけでなく、また自分の人生の近づく終わりをも予測した。
(AM
「体調を崩した」冴えた訳ですね。

3. Tamen la sorto de Marta tiam ŝajnis jam asekurita.

(SJ
しかしながら、マルタの運命はその時すでに保障されたように見えた。
(AM
asekurita ですから、その時に保証されたのではなくて、それ以前に保証されていてずっと続いていたので、jam が使われていますが、「その時もまだ」と訳すのがよいでしょう。
「その時には、jam asekurita」であって、つまり「その時にはすでに保証されていた状態で、何も問題はなかった」。「運命の激変が来ようとするその時にはまだ」という解釈です。
jam の使い方に注目ください。いつも「すでに」という日本語に当てはまるわけではありません。
(SJ
※しかしながら、マルタの運命はその時にはまだ保障されていなかったようだ。
(AM
もう一度よく読んでください。ne という単語は文中にありません。

(SJ
※※しかしながら、マルタの運命はその時すでに保障されたようだった。
(AM
tiam というのは、いつのことですか?マルタの父親が体調を崩して、行き先を心配しだしたときですよね。
だから「その時はまだマルタの運命は保証されていたように見えた。」 保障されなくなったのは、彼女の結婚後、父親が死んでからです。
でもその危機を、「結婚し、子どもができてそこに生まれた愛」で乗り越えることができた。
(SJ
※※※しかしながらマルタの運命はその時もまだされていたように見えた。・・・確かにそうですね。ŝajnis と jam の意味がはっきり分かります。

4. Johano Swicki, juna oficisto,kiu havis jam sufiĉe altan oficon en unu el la regnaj institucioj en Varsovio, ekamis la belan nigrokulan fraŭlinon kaj vekis en ŝi reciprokan senton de estimo kaj amo.

(SJ
すでにワルシャワで国家制度の一つである充分な職務がある若い職員である ヨハーノ スヴィッキー は美しい黒い目の女性を愛し始めた。そしてお互いに尊敬と愛の感情を彼女の中に目覚めさせた。
(AM
Johano Swicki という初登場の人物名は、まず初めにもってきましょう。作者の意図をくみ取って。,… 以下は、Varsovio までつながっている同格の名詞句です。ていません。「ヨハーノ スヴィッキーは、….(これこれこういう人物で)、彼は」と紹介するのが、日本語では通例です。vekis の目的語はreciprokan senton de estimo kaj amo
です。「彼」が彼女に尊敬と愛の相互に通じる思い(感情)を目覚めさせたのです。
(SJ
※ヨハーノ スヴィッキー、彼はワルシャワで国家制度の一つである充分な職務がある若い職員です。彼は、尊敬と愛の相互に通じる思いを彼女に目覚めさせました。
(AM
suficxe altan oficon /en unu /el la regnaj institucioj ここでは ofico が主なる単語で、そのoficoが何処にあるかを 示しているのが、それ以下の副詞句です。
国家機関の中のひとつの機関(部署)のofico、あとalta を訳し忘れています。
*ある物事に焦点をあてる場合、日本語ではよく俯瞰図から始めます。たとえば、住所表記など。
千葉県船橋市、二和東(町の名前)、最後に番地。しかし、例えば英米語ではまず家の番地、そして通りの名称、市名、州、国名の順になります。
会話でも日本人は往々にして前説が長く肝心のテーマが出てきません。紹介でも、「○○さん」ではなく「………….の○○さん」です。どれがよいという問題ではなく、他にも方法があるということなのですが。日本語にするなら、後ろから情報をとって訳すのがよいでしょう。
reganaj instituciojと複数なので、国家制度と言うよりは国家機関(普通いくつもありますから)がよいでしょう。、
(SJ
※※ヨハーノ スヴィッキー、ワルシャワの国家機関の一つである、すでに相当高い役職だった若い役員は、美しい黒い目の女性を愛し始めた。そして尊敬と愛の相互に通じる思いを彼女に目覚めさせた。

5. La ruinigita nobelo, kiu eble iam revis pli brilantan sorton por sia solinfano,kun ĝojo enmetis ŝian manon en la manon de neriĉa, sed laborema homo;

(SJ
おちぶれたたぶんいつか、自分の唯一の子供のためにより輝いた運命を夢見た落ちぶれた貴族は、貧しく,でも働き者の手の中へ彼女の手の中を喜びとともに置いた。
(AM
 文を理解するためには、脇の情報を取り去って、骨格だけにしてみましょう。La ruinigita nobelo, …,enmetis sxian manon en la manon;pensante , ke …, li mortis.
この文にsxia estonteco を受ける動詞は付いていませんか?原文に当たってみてください。 riceではなく ricevis でしょう。これの目的語は?
(SJ
※たぶんいつか、自分の子供ためによりかがやいた運命を夢見る落ちぶれた貴族は喜びと共に、貧しいが働き者の手の中へ彼女(マルタ)の手を置いた。
(AM
 その落ちぶれた貴族は、多分かつてはたった一人のわが子により輝かしい未来を思い描いたであろうが、
(SJ
※※その落ちぶれた貴族は、多分かつてはたった1人のわが子により輝かしい未来を思い描いたであろうが、喜びと共に貧しいが働き者の手の中へ彼女の手を重ねた。

6. pensante, ke de la momento, kiam Marta foriris de la edziĝa altaro, ŝia estonteco ricevis sufiĉan asekuron kontraŭ la suferoj de soleco kaj la danĝeroj de malriĉeco, li mortis trankvile.

(SJ)
一瞬考えながら、マルタは結婚式の祭壇から降りた時、彼女の未来は豊かな充分な保障へ、それに反して孤独な苦しみと貧しさの危険、そのことを一瞬かんがえながら、かれは静かに亡くなった。
(SJ)
※マルタが結婚式の祭壇から降りた時、彼女の未来は充分な保障を貰った。それに対して、孤独な苦しみや貧しさの危険も貰ったその瞬間を考えながら彼は静かに亡くなった。
(AM)
;の印は、前の文の内容を受けて「こういう事情がありながら、これこれこうなった。」と続く印。ke 以下の文に書かれていることを考えながら亡くなった。
ke /de la momento, kiam Marta foriris de la edzigxa altaro/sxia estonteco/ ricevis /suficxan asekuron kontraux la suferoj de soleco kaj de la dangxeroj de malricxeco.
* / で区切った所に注意。de~以下、時間をあらわす節(文)。/主語/ 主語を受ける動詞/この動詞の目的語。の順です。
何に対してのsuficxa asekuro であるかはkontraux 以下にあります。
kontraux の使い方:ある脅威に対抗する、の意味
opinio por via plano あなたの案に対する意見 (可とする)
opinio kontraux via plano あなたの案に対する意見 (反対する意見)
medikamento por via sano あなたの健康に良い薬
medikamento kontraux malvarmumo 風邪薬、風邪に対抗する薬 日本語では「風のための薬!」なんて言うときがありますね。
 ⁂medikamento por malvarmumo 風邪のための薬ってどんな薬? 
 ある意見や案に対して Cxu por? aux kontraux? (賛成か反対か?) Kontraux! この頃の世の中はKontraux! と言いたいことばかり!
(SJ)
※※マルタが結婚式の祭壇から降りたその瞬間から、孤独な苦しみや貧しさの危険の脅威に対抗する充分な補償を彼女の未来は受け取ったことを考えながら、彼は静かに亡くなった。

7. La duan fojon en la vivo Martan trafis granda doloro, sed ĉi tiun fojon ĝin kvietigis jam ne sole la juneco,sed ankaŭ la amo de edzino kaj poste patrino.

(SJ
第2の生活のなかでマルタへ大きな痛みが襲った。しかし、この生活は(大きな痛みを)落ち着かせた。もはや若さだけでなく、妻とその後の母の愛も
(AM
La duan vivonではなくて fojonです。cxi tiun fojon この度は、副詞句です。sed 以下の文の主語はどれですか?動詞kvietigis の主語です。gxin は全文のla doloroであるとしたのは正しいです。 la unua doloro , la dua doloro はなんでしょう。
(SJ
※マルタの生涯の中で2回の大きな痛みが襲った。しかし、この度はもはや若さだけでなく、妻、そして後の母の愛はそれ(2回の大きな痛み)を落ち着かせた。
主語は la amo でしょうか? la amo kvietigis. La unua doloro は、母親を亡くなったこと。 La dua doloro は 父親を亡くしたことですか?
(AM
la tuta vivoではないので、「生活の中で二度目の大きな心痛がマルタを襲った」この心痛は次の文で説明されています。一度目めは父親の死。次は実家の没落。主語はla amo.「結婚して妻となり母親となってその愛でも、乗り越えることができた」 ※あっ!そっちでしたか・・・
(SJ
※※生涯で2度目に大きな心痛が彼女を襲った。しかし、今回はもう若さだけでく、妻となり、後の母となって、その愛でも、乗り越えることが出来た。

8. Sxia bela loko de naskiĝo perdiĝis por ŝi por ĉiam, transiris en la manojn de fremdaj homoj, sed kompense la amata kaj amanta edzo meze de la urba bruo aranĝis por ŝi molan, varman kaj oportunan neston, en kiu baldaŭ eksonis la arĝentosona voĉo de infano.

(SJ
彼女の美しい出生地は彼女のために、いつも外国人の手の中に渡った。しかし、その代わりに、愛され、愛する夫は町の騒音の真ん中で彼女のために優しさ、暖かさ、そして間もなく子供の銀色の声が聞こえる便利な住処を整えた。
(AM
文頭は大文字で。por gxi のgxi は何を指していますか。por cxiam は副詞句で永遠にの意味。fremdaは見知らぬ、ほどの意味。*fremdlanda en kiu は en la nesto で,「そしてそこでは…]と継いで訳します。kiu の付いた形容詞句をいつも.[…の人、物」とか先行詞の前につける癖がありますが、それがいつもよいとは限りません。頭飾りが長すぎると、何を言いたいのかわからなくなります。文の主部と述部を意識しながら読みましょう。
(SJ
※por ĝi por ĉiam はどう訳せばよいでしょうか?
(SJ
※彼女の美しい出生地は永遠に失った。見知らぬ人の手に渡った。しかし、その代わりに町の騒音の真ん中で愛され、愛する夫は彼女のために優しく暖かで、間もなく子供の銀色の声が聞こえる便利な住処を整えた。
(AM
por gxi はgranda doloro=没落 を指していると思いますが、これは曖昧な表現で、私にはよく分かりません。私ならpro gxi としたいところです。

「彼女の美しい出生地は永遠にうしなわれ、他人の手に渡った。」 愛し愛された夫ー相思相愛の夫
(SJ)
※※彼女にとって美しい出生地は永遠に失われ、見知らぬ人の手に渡った。しかし、その代わりに、町の雑音の真ん中で、愛され、愛する夫は彼女のために優しく暖かで、そして間もなく子供のかん高い声の聞こえる便利な住処を手配した。
(UK)
提案ですが、上のところは最初の方が良かったような気がします。
自分で確かめたわけではありませんが、赤ちゃんの産声は性別、人種を問わず440Hzだと
聞きました。そうだとすると甲高いとは言えないですよね。
銀の調子の音、で何を指そうとしたのかはっきりしません。
この文脈からすると、第二の打撃を乗り越えさせる力のひとつになっているわけなので、とてもいい音なのだと思います。
(SJ)
確かに生まれた赤ちゃんの泣き声は440Hzですよね。
だとすると ラの音になりますからかん高い感じではありませんね。440Hzというとオーケストラの基準の音ですもんね。
(AM)
銀色の声、の不思議。この表現に気付きませんでした。キラキラした、とか、きらめく声、生き生きした声、というのが基の考えかなと思います。なお、ここの文章は、彼が家を調え、やがてそこに子どもの声が響き渡ったと結果的に訳すのが妥当だと思います。
(SJ)
生き生きとした声
(TM)
銀色の声ねえ、金色だったらもっとキンキン声かしら。 銀色は品がありますよね。 

9. Inter familiaj ĝojoj kaj devoj kvin jaroj pasis por la juna virino feliĉe kaj rapide.

(SJ)
その若い女性の幸せと速さは家族の喜びと責務の間で5年が過ぎた
※rapideがわかりません
(AM)
このように文を分析して理解すると分かりやすくなります。この方法を忘れないでください。
(SJ)
※その若い女性にとって喜びと義務の間で5年の月日が、幸せに、そして素早く過ぎた。
(SJ)
家族の
(SJ)
その若い女性にとって、家族の喜びと責務の間で、5年の月日が幸せに、そして素早く過ぎていった。

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