エスペラントの接頭辞、接尾辞は一つの単語から一気に多くの単語を生産できる秀逸な機能です。それらをつけることによって一定の意味の拡張が実現できますが、その中にひとつだけ「なんじゃ、こりゃぁ?」という接尾辞があります。
決まった意味がなくて「他の接尾辞では表現できない意味にしたいときにはこれを使え」というのです。ザメンホフさん、なんとまあ!
どういうことかというと「ポケットの中の硬貨を指でいじりまわすとき何て表現すればいいんだ?」「ああでもない」「こうでもない」「そうだ!”指+um” (fingrumi)でどうだい?」というようなことです。
そんな”um”の魅力に取りつかれた方がGonĉarovさんです。とりあえず「ゴン爺」あるいは「ゴンちゃん」と呼びましょうか。
そのゴンちゃんはなんと50年、つまり半世紀にわたって”um”の使用例を集めたのだそうです。その成果が”Tiu ĉumalofta sufikso UM”という本です。この本の中には817個の用例が掲載されています。
この本は世界エスペラント協会からタダでダウンロードできます。