テキスト
— Mi malŝatas tiun ĉi maron kaj mi antaŭsentas, ke mi malamos ĝin.
— Kial? Mi trovas ĝin belega.
— Jes, ĝi estas belega, sed tre senkora. Ĝi disigos nin por ĉiam.
— Sed la maro estas samtempe vojo por retrovi la malproksiman amikon.
— Ĉu vi kredas tion? Ho, vi granda optimisto.
— Jes, mi volas kredi tion, vi, malgranda pesimistino.
La propono de sinjoro Vonago rompas la malgajan interparolon de la du geamikoj.
— Gesinjoroj. — li diras — mi invitas vin unue al la hejmo de la Vladivostoka Esperanto Societo. Tie ni matenmanĝos, ĉar ĝi estas en mia oficejo. Vi scias, ke mi estas urba notario kaj mi havas oficialan laboron, sed mi liberigos min por hodiaŭ. Mi havas helpnotarion en la oficejo. Ankaŭ li estas nia malnova samideano. Poste ni veturos per aŭtomobilo al Pervaja Rjeĉka, al la militkaptitejo. Ĉu bone?
La gastoj konsentas. Post mallonga tempo la tuta societo jam estas en la notaria oficejo.
— Bonvolu veni en la bibliotekan ĉambron! Ĝi estas nia kunvenejo. Tie estos pli agrable — sinjoro Vonago invite malfermas la pordon.
訳
(FT)
「私はこの海が嫌いです。そして、この海を憎みそうな予感がしています。」
「なぜですか、私は、海がとても美しいことを見つけています。」
「はい、それは、とても美しいです。しかし、海はとても非情です。それはいつまでも私たちを一緒にしてくれないでしょう。」
「しかし、その海は、同時に遠くの友人を見つけるための道なんです。」
「あなたはそのこと(見つけるための道)を信じているのですか。ほうあなたはすごい楽天家!」
「はい、私はそのことを信じたいのです。あなたは小さな悲観家!」
バナゴさんの申し出は二人の男女の友達(ナダイとマリア)の落ち込んだ会話をやめさせています。
「皆さん。彼 (バナゴ)さんはいいます。私は、最初にウラジオストックのエスペラントの家にあなた達を招待しました。
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってエスペラント会は、私の事務所の中(で開かれる)なのです。あなた達は私が市の公証人であり、公的な仕事していることを知っています。しかし、私は今日のために仕事を休みにします。
私は、自分の事務所に公証人の助手がいます。彼もまた我々の古くからの同志です。
後で私たちは、ペルバーヤ・リチェーカにある捕虜収容所に車で行こうと思います。いいですね。」
その客たちは同意しています。すこし後に、みんなの会員は、すでに公証人の事務所にいます。
「どうぞ、図書室へ行きましょう。そこは、私たちの会合場所です。そこで、もっと気持ち良いところです。」バゴノさんが扉を開いて招いています。
経過
1. -Kial? Mi trovas ĝin belega.
(FT)
どのようにてすか、私は、とても美しいそれ(海)を探しています。
(UK)
*Kialとtroviの意味を確認してください。
(FT)
なぜですか、私は、とても美しいそれ(海)をみつけています。
(UK)
**そうですね。ただしMi trovas belegan maron.ではありません。
Mi trovas ĝin belega. はどういう語法でしたか?
belegaはĝinを修飾しているのではなくĝinに対する補語ですね。
つまりMi trovas, ke ĝi estas belega.
とすると訳はどうなりますか?
(FT)
なぜですか、私は、海が_とても美しいことをみつけています。
2. -Jes, ĝi estas belega, sed tre senkora. Ĝi disigos nin por ĉiam.
(FT)
はい、それは、とても美しいです。しかし、それはとても薄情です。それはいつまでも
私たちをバラバラにしているでしょう。
(UK)
*そういうことなんですが、乙女たちも納得しそうな言い方にするとどうでしょう?
(FT)
はい、それは、とても美しいです。しかし、それはとても非情です。それはいつまでも私たちを一緒にしてくれないでしょう。
(UK)
**余計なことを言いました。
3. -Sed la maro estas samtempe vojo por retrovi la malproksiman amikon.
(FT)
しかし、その海は、同時に遠くの友人を取り戻すための道なんです。
(UK)
*結果としてはそうなりますか。そうですね。
(FT)
しかし、その海は、同時に遠くの友人を呼び戻すための道なんです。
(AM)
retrovi のことが気になります。revoki ではないですよね。
(FT)
PIVでは次のようになっていました。retrovi. Trovi ion, kion oni jam posedis k perdis: kiu ne akiras, kiam li povas, tiu poste deziras, sed jam ne retrovas Z; retrovi perditan braceleton; retrovi la sanon, la trankvilon; la perditan tempon oni ne povas retrovi. Sed la maro estas samtempe vojo por retrovi la malproksiman amikon.
しかし、その海は、同時に遠くの友人を取り返すための道なんです。(とりあえずこれでどうでしょうか、自信がありませんが)
(UK)
retroviはPIVの通りだと思いますが、その元になる”trovi”の意味を確認してみてください。
「手に入れる」という結果を生じることもあると思いますが、それ以前の段階がtroviの本来の
意味だと思います。辞書の第一義を採用するとどうなるでしょうか?
FTさんが挙げたPIVでは”trovi. Ekvidi, trafi tion, kion oni serĉas:”とあります。
(FT)
しかし、その海は、同時に遠くの友人を見つけるための道なんです
4. -Ĉu vi kredas tion? Ho, vi granda optimisto.
(FT)
あなたはそれを信じているのですか。ほうあなたはすごい楽天家なんですね。
(UK)
*Ho,以下は文としては成り立っていないですよね。この役割を考えると訳もちょっと変わるかな、と。
(FT)
あなたはそれを信じているのですか。ほうあなたはすごい楽天家!
5. -Jes, mi volas kredi tion, vi malgranda pesimistino.
(FT)
はい、私は小さな悲観家であることを信じたいんですよ
(UK)
*tionは何を指しているでしょうか?
(FT)
はい、私は楽天家であることを信じたいのです。あなたは、ちょっとした悲観家!
(UK)
*後半は前のマリアの発言のHo, vi granda optimisto.と対をなしています。
ナダイとマリアはすっかり親しくなっているのでナダイはしゃれで返しています。
(UK)
**楽天家であることを信じたいのでしょうか?
-Sed la maro estas samtempe vojo por retrovi la malproksiman amikon.
||
-Ĉu vi kredas tion? Ho, vi(Nadai) = granda optimisto.
||
-Jes, mi volas kredi tion, vi(Marja) = malgranda pesimistino.
それぞれの発言の後半では、動詞が抜けていますので
viとoptimisto, pesimistinoは主語と補語ではなく併記して言い換えている形です。
Hoはここではおそらくため息でしょう。たとえば
ああ、あなた、大きな楽天家(さん)。←→きみ、小さな悲観論者(さん)。
またここのgranda, malgrandaはマリアの言葉では「大きい」か「すごい」かわかりませんが、
ナダイの返事では「小さい」だと思います。
(FT)
はい、私はそのこと(呼び戻す道)を信じたいのです。あなたは、小さな悲観家!
6. La propono de sinjoro Vanago rompas la malgajan interparolon de la du geamikoj.
(FT)
バナゴさんの申し出は二人の男女の友達(ナダイとマリア)の不愉快な会話を壊しています。
(UK)
*rompiは「壊す」ですが、この流れで「会話を壊す」だと全体の意味が変わってきます。
(UK)
*この”malgaja”を「不愉快な」とするのはこの場の雰囲気にそぐわないと思います。
二人とも海を見てやがて起こることを予感し、それを反対側から見ているんですよね。
そのため一方はやや高揚し、一方は落ち込んでいます。
(FT)
バナゴさんの申し出は二人の男女の友達(ナダイとマリア)の落ち込んだ会話をやめさせています。
(UK)
**この方がいいと思います。malgajaは陰気な、沈んだ、落ち込んだ、などを示します。
またrompiも中断させる意味でいいと思います。
7. -Gesinjoroj. -li diras- mi invitas vin unue al la hejmo de la Vladivostoka Esperanto-Societo.
(FT)
皆様さん。彼 (バナゴ)さんはいいます。私は、最初にウラジオストックのエスペラントの家にあなた達を招待しました。
(UK)
*訳も現在形の方がよさそうです。今から起こることですし。
(FT)
皆様さん。彼 >(バナゴ)さんはいいます。私は、最初にウラジオストックのエスペラントの家にあなた達を招待しています。
8. Tie ni matenmanĝos, ĉar ĝi estas en mia oficejo. Vi scias, ke mi estas urba notario kaj mi havas oficialan laboron, sed mi liberigos min por hodiaŭ.
(FT)
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってそこは、私の事務所なのです。あなた達は私が市の公証人であり、公的な仕事していることを知っています。しかし、私は今日のためにゆっくり自分を休ませます。
(UK)
*Vi scias, ke・・・はViが誰なのかによって多少ニュアンスが違ってきますね。
Viがナダイであれば訳の通りでいいと思います。
しかし、ここは明らかに一行全員に話しかけています。
したがって、彼が公証人であることを知らない人もいるということを前提にVi scias, ke…と言っているはずです。
そこで、知っていることに関してもう少し軽い表現にした方がいいような気がします。
*ゆっくり自分を休ませるのではないですね。
何から自分をliberigiして何をしようとしているのかを念頭に訳すと良いと思います。
(FT)
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってそこは、私の事務所なのです。あなた達は私が市の公証人であり、公的な仕事していることをあなたたちは知っています。しかし、私は今日のために仕事を休みにします。
(UK)
**そうだと思います。
きょうは公務から自分を解き放って客一行の世話をするつもりでいます。
**Vi scias, ke….は自己紹介を兼ねた言い方だと思います。
知っていてもいなくても、ご存じのように…など。
(FT)
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってそこは、私の事務所なのです。あなた達は私が市の公証人であり、公的な仕事していることをあなたたちは知っています。しかし、私は今日のために仕事を休みにします。
(AM)
Ĝi estas en mia oficejo.エス会は私の事務所内にあるのです。
どうでしょうか。
(FT)
皆様さん。彼 (バナゴ)さんはいいます。私は、最初にウラジオストックのエスペラントの家にあなた達を招待しています。
Tie ni matenman?os, ?ar ?i estas en mia oficejo.
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってそこは、私の事務所なのです。
(UK)
AMさんが指摘されたのは、テキストは
Ĝi estas en mia oficejo.
であって、
Ĝi estas mia oficejo.
ではない、ということだと思います。
このoficejoは本来は公証役場のはずです。
(FT)
そこで、私たちは朝食を食べましょう。なぜってエスペラント会は、私の事務所の中(で開かれる)なのです。あなた達は私が市の公証人であり、公的な仕事していることを知っています。しかし、私は今日のために仕事を休みにします。
9. Mi havas helpnotarion en la oficejo. Ankaŭ li estas nia malnova samideano. Poste ni veturos per aŭtomobilo al Pervaja Rjeĉka, al la militkaptitejo. Ĉu bone?
(FT)
私は、自分の事務所に公証人の助手がいます。彼もまた我々の古くからの同志なんです。後で私たちは、ペルバーヤ・リチェーカにある捕虜収容所に車で迎えに行こうと思います。いいよね。
(UK)
*ni veturos ですから、迎えに行くのではなく・・・
(FT)
後で私たちは、ペルバーヤ・リチェーカにある捕虜収容所に車で行こうと思います。
*「いいよね」は急にため口になってしまいました。
(FT)
いいですね。
10 La gastoj konsentas. Post mallonga tempo la tuta societo jam estas en la notaria oficejo.
(FT)
その客たちは同意しています。すこし後に、全体の会員は、すでに公証人の事務所にいます。
(UK)
細かいところですみませんが、次の”la tuta societo”を「すべての会員」としてしまうと、ウラジオストク・エスペラント・エスぺラント会の会員が全員集まったように受け取れるので、単に「全員」、「みんな」などの類の言葉で良いかもしれません。
(FT)
ここで、la tuta societo ”la”が効いてくるのですね。
(UK)
なるほど、たしかにそうですね。気づきませんでした。
(TM)
” la tuta societo” など自分では使えないかも‥でも使えるようにしたいです。
「一同」というのもありですね?
11.-Bonvolu veni en la bibliotekan ĉambron! Ĝi estas nia kunvenejo. Tie estos pli agrable- sinjoro Vanago invite malfermas la pordon.
(FT)
どうぞ、図書室へ行きましょう。そこは、私たちの会合場所です。そこで、より気持ち
良いバゴノさんが扉開いて招いています。
(UK)
*pli agrable までがバナゴさんのセリフで、その後のsinjoroからはト書きです
(FT)
どうぞ、図書室へ行きましょう。そこは、私たちの会合場所です。その場所で、より
気持ち良くバゴノさんが扉開いて招いています。
(UK)
**Tie estos pli agrableまでが客に向かってのバナゴさんの発言です。
invite malfermas la pordonがバナゴさんの動作です。
agrableはこちらを修飾していません。
もとのテキストだと線が長いので区切りがわかりやすいでしょう。
— Bonvolu veni en la bibliotekan ĉambron! Ĝi estas nia kunvenejo.
Tie estos pli agrable — sinjoro Vonago invite malfermas la pordon.
Tie estos pli agrable. になるべきじゃないかなと、Web上のいくつかのソースで調べて
みたのですが、いずれも”.”が抜けています。バナゴさんはもっと話続けているのかもしれません。
(FT)
どうぞ、図書室へ行きましょう。そこは、私たちの会合場所です。その場所は、とても心地よいところです。バゴノさんは、扉を開いて招いています。
(FT)
pliについては、もっと、または、よりにしたいと思います。ほかの方のご意見も歓迎します。
(UK)
pliのところの文は「その場所は、もっと心地よいところです。」でピッタリですね。