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テキスト Ĉaptro 4: Leciono en la parko p17/12~17/28
— Nu, sinjoro Kuratov, vi ne diras la puran veron. Ankaŭ vi havas koloron, kiun vi pli ŝatas.Via koloro estas la verda. Ĉu ne? — Per tiu parolo fraŭlino Smirnova tuŝas malfortan punkton de la maljuna sinjoro.
— Ĉu la verda koloro? — kaj Kuratov longe restas sen vortoj. — Nu, jes! Vi ne malbone parolis. Vere, la verda koloro plaĉas al mi…
Sed, gesinjoroj, ĉu ni staru ĉi tie?
— La sinjoro instruisto ne venis. Ni atendu! Ankaŭ Iĉio Pang kaj lia amerika amiko ne ĉeestas. Ni atendu! — kaj en la vortoj de Marja Bulski estas sekreta peto
Kuratov jese respondas per la kapo. Sinjorino Bogatireva havas proponon, kiun la gesinjoroj akceptas.
— Ni iru en la parkon — ŝi diras. — Sinjoro Lekko, atendu ĉe la pordo de la ĝardeno.
Mi estas laca. Hodiaŭ mi laboris multe en mia hejmo. Nu, ĉu bone?
訳
(FT)
ねぇ、クラトフさんあなたは(純粋な真実を)本当のことをおっしゃっていませんね。あなたも、よりすきな色を持っていますね。あなたの色は緑色なんですね。ですよね。スミルノバ嬢の話がその老人(クラトフ)の弱いところをついています。
緑色だって? そして クラトフさんは長い間無言でいます。ウーンはい、あなた(スミルノバ)は、悪くない話をしてますね。(二重否定) 本当に、緑色というのは私にとって好きな色なんです。
しかし、男女の皆さん。その所に立っていていいのですか。
その男性の先生は来ていません。私たちは待ちましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)イチオパングと彼のアメリカの友達も出席していません。(来ていません) 私たちは待ちましょう。そして、マリアブルスキーの言葉のなかに秘密の願い(先生を待つという秘密)が隠されています。.
クラバトフはうなずいて肯定しています。ボガテレバ夫人は申し出をしています。その申し出を男女の皆さんが受けています。
我々は、公園へ行きましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)彼女(ボガテレバ夫人)は、しゃべってます。レッコさん、その庭のこの扉の所で待っててくださいね。
私(ボガテレバ夫人)は、今日うちでよく働いたので疲れました。サテ。(皆さん、待っていること)いいよね。
経過
1. — Nu, sinjoro Kuratov, vi ne diras la puran veron. Ankaŭ vi havas koloron, kiun vi pli ŝatas.
(FT)
ねぇ、クラトフさんあなたは(純粋な真実を)本当のことをおっしゃっていませんね。あなたも色を持っていますね。好きな色を。
(UK)
*たいへん良いと思います。細かいですが”pli”も生かしてもらえると完璧だと思います。
(FT)
ねぇ、クラトフさんあなたは(純粋な真実を)本当のことをおっしゃっていませんね。あなたもずっとすきな色を持っていますね。
(UK)
**いい訳ですね。”pli”は「より」程度でいいかもしれません。
ねぇ、クラトフさんあなたは(純粋な真実を)本当のことをおっしゃっていませんね。あなたも、よりすきな色を持っていますね。
2. Via koloro estas la verda. Ĉu ne? — Per tiu parolo fraŭlino Smirnova tuŝas malfortan punkton de la maljuna sinjoro.
(FT)
あなたの色は緑なんですね。ですよね。スミルノバ嬢がそのその老人(クラトフ)の弱いところについて話しています。
(UK)
*後半の文は内容的には訳の通りで良いと思いますが、直訳するとどうなるでしょう。
この文の主語:fraŭlino Smirnova、動詞:tuŝas(paroliではありません)、 そして目的語:malforntan punkton.です。
前の文を受けて手段が先頭に置かれています。
*これは皆さんにも伺いたいのですがKuratovのkoloroは単に”verda”ではなく”la verda”と言っています。冠詞の後ですからある名詞が省略されています。
それはともかく、ここにlaを付けているのはどんなニュアンスでしょうか。
ご意見をお願いします。
(TH)
verdaになぜ 定冠詞laを付けるか、それはエスペラント語を使う人々の象徴の色だからだと思います。
(UK)
”la verda”について初見では私もそう思ったのですが、最初から読み返してみると、物語のこの段階ではまだエスペラントの象徴としての「緑」は登場していないのです。
そしてSmirnovaの発言に対してKuratovが長く考え込むということは、まだ共通認識されていなかった証拠です。よく考えた結果、Kuratovは自分には”la verda koloro”がふさわしい、指摘は当たってる、と認めたのです。
この点もこの発言はSmirnovaでは不可能で、Marjaでなければできないと私が考える根拠のひとつです。
(KTT)
「la verda」についてです。
この物語でまだ「緑色」に関しての説明や比喩的に使われていないのではと考えます。
先日、赤、白、緑を軍旗とした時代がロシア革命期にあった事をウィキペディアで知りました。
緑軍 → 農民やコサックを中心とした非正規の軍事組織の通称
この緑軍の思想に近い思想を la verda koloro と言っているのではないかと思います。
どういった思想なのかは全くわかりません。
(UK)
”la verda”についてはおそらく赤、白、緑軍の事までは考えていないと思います。それにKuratovが農民やコサックの思想を気に入るとは思えません。私も内容はわかりませんが、革命時の一派の思想ですから当然政治的なものでしょう。
Kuratovは前回のところで”Nur estu homa kompreno!”と言っています。
(FT)
あなたの色は緑色なんですね。ですよね。スミルノバ嬢の話ががそのその老人(クラトフ)の弱いところをついています。
(UK)
**そうですね。これで文の構造と訳が一致したと思います。
3. — Ĉu la verda koloro? — kaj Kuratov longe restas sen vortoj. — Nu, jes! Vi ne malbone parolis. Vere, la verda koloro plaĉas al mi…
(FT)
緑色だって? そして クラトフさんは長い間無言でいます。ウーンはい、あなた(スミルノバ)は、よい話してですね(二重否定?) 本当に、緑は私にとって好きな色なんです。(希望を表していると思われます)
(UK)
前半は良いと思います。
*二重否定の文ではparolisが動詞です。ここも二重否定の形をそのまま反映するように直訳するとどうなるでしょうか。
*最後の文の訳は良いと思いますが、”la verda koloro”が好きなわけで緑全般が好きなわけではなさそうです。
ここは特に希望を表していると解釈しなくて良いのではないかと思います。
plaĉiは好みの対象が主語となる点で注意を要する動詞です。
先ほど登場したŝatiと比べておくと良いと思います。
(FT)
緑色だって? そして クラトフさんは長い間無言でいます。ウーンはい、あなた(スミルノバ)は、悪くない話をしてますね。(二重否定) 本当に、緑色は私にとって好きな色なんです。
Ŝati,amiは、人物が主語、 plaĉasはものが主語となります。
(UK)
**完璧です。二重否定のところもこれでよいと思います。「悪くない話をした=当たっている」という意味になります。
後半もこれで良いと思います。
なお最後の文はKuratovの心情を推察して少しドラマチックに訳すと面白いかもしれません。
**Smirnovaの”Via koloro estas la verda.”という発言で”la verda”と言われて、Kuratovが考え込みます。ということは”la verda”と言われた瞬間は”la”がついていても二人に共通の認識はなかったのです。Smirnovaは「あなたならla verdaと言えばわかるでしょう?」という前提で発言しています。
Kuratovは自分の心の中を探ってそれを色で表すとすれば、なるほどSmirnovaの言うように緑がふさわしい、と納得します。このときはじめて”la verda”が二人の共通認識となります。
その結果Kuratovは” Vere, la verda koloro plaĉas al mi…”と、おそらく感動を含んだ発言をします。
**ところで、Smirnovaが直前のKuratovの発言”Nur, estu homa kompreno.” などから、Kuratovの色は緑だと判断することは不可能ではないかもしれませんが、かなり無理があります。
しかしMarja Bulskiなら第2章でNadai(la instruisto)とKuratovの会話を観察しながら、Kuratovの人柄について思いを巡らせています。そこへ直前のKuratovの発言があり、即座に彼の色は緑だと指摘するのは可能だと思います。
ここは以前に指摘したようにSmirnovaをMarja Bulskiと読み替えると自然になります。そしてこの後の方に出てくるKuratovの発言とも整合するようになります。ただ原文にSmirnovaと書いてあるので私の個人的な確信に留まります。
4. Sed, gesinjoroj, ĉu ni staru ĉi tie?
(FT)
しかし、夫妻はその所に立とうとしていますか、(希望を持っていますか)
(UK)
*「夫妻」を言うとしたらgeedzojが適切だと思います。ここでは呼びかけですが、具体的には誰に呼びかけているのでしょうか。
*Ĉu ni staru ĉi tie?は前回話題になった意思法です。主語はgesinjorojではなくniです。
(TH)
gesinnjorojは ヴォガチレバ夫妻ではなくて、2人以上、クラトヴさんレッカさんマルヤさん
スミルノヴァさんツカチェヴァさん達ではと思います。
(UK)
夫妻ならgeedzojが適当だと書いてしまいましたが、夫妻に呼び掛けるときはやはりgesinjorojですね。失礼しました。
しかし、これは夫妻だからではなく男女だからですよね。男性同士で結婚している場合の呼びかけはsinjorojだと思います。
ここでgesinjorojが指しているのはTHさんのおっしゃる通りだと思います。
(FT)
しかし、男女の皆さん。その所に立ちましょう。(緑色を好きになりましょう)
(UK)
**ここは反語的表現になります。
Sed, gesinjoroj, ni staru ĉi tie. なら訳の通りになります。疑問形にすればOKです。
Bogatirevaはここに立っているのではなく別のことをしたい(公園に入りたい、そしてベンチに座りたい)のだと示唆しています。
**またここではもう前の会話から切り話されて緑色とは関係なくなっています。
**さらに細かいことですが、
第1章のlernantoj kaj lernantinojが第2章ではgelernantojに変わっています。
また第1章と第2章ではsinjorinoj kaj sinjoroj またはその逆で表現されていますが、が第4章ではgesinjorojに変わっています。
このあたりはlernolibroとしての配慮でしょうか。
(FT)
しかし、男女の皆さん。その所に立っていていいのですか。
5. — La sinjoro instruisto ne venis.
(FT)
その男性の先生は来ていません。
6. Ni atendu! Ankaŭ Iĉio Pang kaj lia amerika amiko ne ĉeestas.
(FT)
私たちは待ちましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)イチオパングと彼のアメリカ人の友達も出席していません。(来ていません)
(UK)
*ここも良いと思います。
ただしamerika amikoはアメリカ(軍の制服を着た)友達であってアメリカ人ではなくスロバキア人です。この文だけではわからないことなので部分的な訳としては正解です。
第3章で服装と国籍が合っていないことが話題になっていました。
(FT)
私たちは待ちましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)イチオパングと彼のアメリカ人の友達も出席していません。(来ていません)
(UK)
**そうですね。
ただしamerika amikoは前に述べたように「アメリカの友達」というように「人」を取っておいてください。
服装から国籍は判断できない、というのが第3章で話されていることです。
(FT)
私たちは待ちましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)イチオパングと彼のアメリカの友達も出席していません。(来ていません)
7. Ni atendu! — kaj en la vortoj de Marja Bulski estas sekreta peto
(FT)
私たちは待ちましょう。そして、マリアブルスキーの言葉のなかに秘密の願いが隠されています。.
(UK)
*完璧だと思います。
*しかし、皆さんへの質問です。その「秘密の願い」とは何でしょうか。
ご意見をよろしく。
(TH)
sekreta petoは、Marja Bulskiが男性の教師を公園入口で迎えたい事。ではと考えます。
(UK)
“sekreta peto”は私も同意見です。
「秘密の願い」はそうですね、たしかに「気になる人を待って近づこう」としていると思います。
(FT)
私たちは待ちましょう。そして、マリアブルスキーの言葉のなかに秘密の願い(先生を待つという秘密)が隠されています。.
(UK)
**そうです。Marja Bulskiは先生と話をしたいのです。
これがMarjaの強い願望であると第2章に示されています。
8. Kuratov jese respondas per la kapo.
(FT)
クラバトフは頭をたてに振って(肯定して)こたえています。
(UK)
*日本語訳としてはいいと思います。
ここはエスペラントらしく効率的な表現形のひとつだと思いますので、この文のまま直訳したものも示してもらえるとありがたいです。
そうするとこの表現形が応用のきくものになりそうな気がします。
(FT)
クラバトフは頭をたてに振って(肯定して)こたえています。
(FT)
クラバトフはうなずいて肯定しています。
9. Sinjorino Bogatireva havas proponon, kiun la gesinjoroj akceptas.
(FT)
ボガテレバ夫人は申し出をしています。その申し出をその夫妻(ボガテレバ夫妻)が受けています。
(UK)
*ボガテレバ夫人のご主人はこの物語では最後まで登場しません。
ここでも”gesinjoroj”は誰のことか確認すると良いと思います。
(FT)
ボガテレバ夫人は申し出をしています。その申し出をその夫妻(ボガテレバ夫妻)が受けています。
(UK)
**ここのgesinjorojも先ほどのgesinjorojと同じです。
申し出を受け入れたのは「その夫妻」ではありません。
(FT)
ボガテレバ夫人は申し出をしています。その申し出を男女の皆さんが受けています。
10. — Ni iru en la parkon — ŝi diras. — Sinjoro Lekko, atendu ĉe la pordo de la ĝardeno.
(FT)
我々は、公園へ行きましょう。(意志法の勧誘・呼びかけと思われます)
彼女(ボガテレバ夫人)は、しゃべってます。レッコさん、その庭のこの扉の所で待っててくださいね。
(UK)
*良いと思います。
「(前半の発言)」彼女はしゃべってます。「(後半の発言)」・・・という形です。
*ここではNi iru en la parkon.とparkonが対格になっている点も要注意です。
11. Mi estas laca. Hodiaŭ mi laboris multe en mia hejmo. Nu, ĉu bone?
(FT)
私(ボガテレバ夫人)は、今日うちでよく働いたので疲れました。ねぇ。元気?
(UK)
*良いと思います。
しかし最後の”Nu, ĉu bone?”は「元気?」でしょうか。
先ほどの提案に対する答えを求めています。
*この発言は後に尾を引きます。ぜひ頭の片隅に留めておいてください。
以上です。**この発言は後に尾を引きます。ぜひ頭の片隅に留めておいてください。
(UK)
**「ねぇ。ですよね。」だと「はたらいて疲れた」ことを受けているように聞こえます。疲れたかどうかは他の人にはわかりません。
“Nu, ĉu bone?”は前の
— Ni iru en la parkon — ŝi diras. — Sinjoro Lekko, atendu ĉe la pordo de la ĝardeno.
に対する念押しだと考えるとどういう言葉に訳すると良いでしょうか。
(FT)
私(ボガテレバ夫人)は、今日うちでよく働いたので疲れました。ねぇ。(待っていること)いいよね。
(AM)
最後の Ĉu bone? は、一緒にいるみんなに向かって言っていると思います。
このすぐ後に -Jes, jes! Ni iru en la parkon!と続きますから。「さて(皆さん)よろしいですか?」という感じです。